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昭和昔話集』4: 「政治家と学者」

昭和20年代に吉田茂というワンマン首相がいて、日米単独講和を結んだ時それに反対して全面講和を唱えた学者たちを「曲学阿世きょくがくあせいの徒」と」罵った。しかし大学教授の身分に障りが出るようなケチなことはしなかった。だいたい学者なんて者は、現実政治の役に立たないに決まっている。「享保改革」を断行した徳川八代将軍吉宗が大儒荻生徂徠おぎゅうそらいと会見して「さてさて、儒者とはまことにタワイのない者じゃ」と嘆いたことはよく知られている。

そういえば昔、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ物でこんな作品を読んだことがある。題は忘れたが、資産家の富豪貴族が急死する話だった。死因に疑惑があってホームズの出番になるわけだが、名探偵の眼力は一目で犯人を見抜く。もと執事をしていた男だった。あるじを毒殺して当主に成り済ましていたのである。なぜわかったか。思わず家具の塵を払ってしまう無意識の動作を見逃さなかったのだ。人間、身の丈に合わないことはやるとすぐわかる。

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