平和の到来が兵法から兵学へと転換をうながし、欧米列強の圧迫が近代戦略論への深化をもたらした。林羅山から荻生徂徠を経て吉田松陰に至る、近世思想の知られざる相貌に光をあて、軍事的発想がいかに政治思想と表裏一体であり、背後の国際情勢と連動しているかを検証する。和辻哲郎文化賞受賞作。
著作一覧
江戸のヨブ―われらが同時代・幕末 - 1999/10
¥ 1,200 / 中央公論新社
幕末には現代日本があった! 安政地震・吉原遊女の義捐金、一生くすぶった旗本の私小説、ものみな踊りで終わる幕府の解体…。幕末・江戸の時間の流れを、現場感覚で再現する。
慶喜の捨て身―幕末バトル・ロワイヤル※ - 2011/02/17
¥ 799 / 新潮新書
※大政奉還は、窮余の一策ではなく、徳川政権の立て直しを目指す慶喜による捨て身の大博打だった―。武力倒幕を目指す薩長を見事に出し抜いた慶喜は、雄藩諸侯会議のリーダーとして君臨し、徳川中心の新政権を新たに作り出そうとしていた。しかし、慶喜のある判断ミスにより権力は討幕派の手に落ちる。果たして慶喜の千慮の一失とは。大政奉還から王政復古までの五十五日間、幕末バトル・ロワイヤル最終局面。
幕府歩兵隊―幕末を駆けぬけた兵士集団 - 2002/11
¥ 79 / 中公新書
幕府歩兵隊をご存じだろうか。幕末の徳川幕府には近代装備の兵士がいた。水戸の天狗党とたたかい、長州の奇兵隊とたたかい、薩摩の小銃隊とたたかい、幕府瓦解の後は、関東・東北・北海道を転戦し、全官軍を向こうにまわして最終ラウンドを飾った。幕末の歩兵は、サムライでもなく帝国陸軍の兵隊でもなかった。この歩兵隊という特定の視界から幕府倒潰の秘密に迫る回路を探り、彼らを歴史の主役に抜擢する。
蜀山残雨―大田南畝と江戸文明 - 2003/12
¥ 800 / 新潮社
異数の出世をとげたソツのない能吏。当代ナンバーワンの売れっ子狂歌師。二人の蜀山人(南畝)の間の隠された内面のドラマを江戸学の権威が鮮かに描く。
王道と革命の間ー日本思想と孟子問題 - 1986/3
¥ 4,500 / 筑摩書房
『孟子』に仕掛けられた政治変革をめぐる起爆剤、これを仁斎、徂徠、中斎、松陰、そして北一輝はどう読みやぶったのか? 日本思想史上の一大争点に果敢に挑戦する長篇エッセイ。
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