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2年目に入る

2016-10-18
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この「野口武彦公式サイト」もいよいよ2年目に入りました。昨年2015年10月3日に「初口上」を載せてから今年の10月8日の「夢の岡(続)」まで、全53回を週に1度のペースで書き続けました。辛抱強くお付き合い下さった読者の皆さんに心からお礼を申し上げます。ずいぶん勝手で独りよがりの記事もあったと思いますが、何とぞご容赦下さい。
お蔭様で、読者数――ヴィジター数というべきでしょうか――は安定しました。このところのアクセス数は1ヶ月で3143、1週で936,1日で141といった数字になります。また、検索エンジンのランクもこの4,5日グーグルでもヤフーでも「野口武彦」の見出しでは第2位に付けています。第1位はウィキペデイアで、これを抜くのはなかなか難物です。ちなみに、ウィキの拙老の人物評は気に入りません。
それはともかく、上記の数のヴィジターは、いったいどのような人々なのでしょうか。
第25回の「わが仮想読者」にも書いたのですが、拙老の想定する読者はだいたい下記の3種類に分類できました。①同年代者――いわゆる「60年安保世代」の党派を超えた戦友たち、②神戸大学の卒業生、世にいう「教え子」たち、③年令も閲歴も職業も立場も不明不詳の「読書人」たち。このうち、①は急速に老化・死滅しつつあります。拙老などは文字通りの「生き残り組」なのです。②もおっつけその後を追うでしょう。残るのは③だけです。
そこで上記の数字のことになるのですが、実をいうと拙老には3143という数の意味がまだよく読めないのです。①②のグループは総数でも100人ぐらいのものだと思います。すると、残る③のグループはおよそ3000人ほどいることになります。さあ、これらの人々がどんな顔つきをしているかがさっぱり掴めないのです。
現代はビッグ・データの時代だといわれます。データの大量作戦です。数量が 物を言います。しかしデータとは結局、特定の分布を持った数値であって、統計にすぎません。3143という数は 決して ビッグではありませんが、理屈は同じです。この数の塊りは今のところ「不特定多数」しか意味していません。ここでもあのアンビヴァレント・アンビギュアス・アモーフォス(ambivalent,am-biguous、amorphous――どっちつかず、あいまい、無定形)という不特定多数者に特有の3Aの原理がまた作用するのでしょうか。何にせよ、数字の上の多数が必ずしも多数派でなく、いつ離散するかも知れない無定形な集団であるのは心もとない限りです。
でも拙老が最後に頼みにするのは、やっぱり③のグループしかありません。「わが仮想読者」で、かりに「読書人」と呼んでみた今では少数派に属する人口集団です。
現代は記号と映像が 氾濫する時代です。文字は記号化 されて一種の音標文字になり、映像が文字を代行するようになっている世の中です。だから、むしろ「読字人」という新語を作った方がいいかもしれません。字が読めるということは普通考えられているより、はるかに大切な能力ではないかと思います。これはまだほんの直感というだけで、皆さんはじれったく感じられるでしょうが、今はこの程度のことしか言えません。追々このカンが指し示すものに肉付けを施しつつ、本コラムを書き続けてゆく所存です。(了)

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