きたる3月20日に『元禄五芒星』が発売されます。情報公開が解禁されましたので、ここにお披露目させていただきます。
内容はすでに昨年12月8日の本欄で紹介してありますが、念のため、目次だけここに再度掲げておきますと、次のようになります。
①「チカラ伝説」
②「元禄不義士同盟
③「紫の一本異聞」
④「算法忠臣蔵」
⑤「徂徠豆腐考」
ご覧の通り5篇で1冊になっています。タイトルの「五芒星」はこの数に因んでいますが、元禄の夜空に輝く星の五つの光芒とも取れるし、また五つの星を線で結んで夜空に浮かび出る5稜の仮想の図形でもあります。創造的な渾沌に富む世相を解読する5本のサーチライトが虚空に交錯している形ともいえましょう。
とにかくここには一つのペンタグラム(五角形)が透けて見えて来ます。ご存じのことと思いますが、これは安部晴明の家紋であり、陰陽師の神紋であります。洋の東西を問わぬ魔除けの呪符です。
このたび思いがけなく、人気作家の京極夏彦氏に帯封の文章をいただきました。有難く拝受致します。著者の側から感想を申し上げるのはいかにも逆さまごとですが、氏が「元禄ツアー」と言って下さったのには我が意を得た感じです。
拙著は、時間という経路をたどって元禄空間へ至り着くための旅行案内書です。Bon voyage! (どうかよいお旅を)
ご無沙汰しております。OSAKA DEEP SOUTH 富田林の出口逸平です。
いただいた『元禄五芒星』をあらためて読み直し、一番ワクワクしたのが「元禄不義士同盟」でした。今年は文楽で「仮名手本忠臣蔵」の通しをやっていますが、どうにも食指が動きません。
自分はどうして悪党、しかも実悪ではなく、滑稽な小悪党に引かれるのか。その辺りをもう少し探ってみたいとおもいます。