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『令三春吟半歌仙』『令三銘々精進会』の呼びかけ

2021.01.14 木曜日
令三春吟半歌仙句順表.xlsx令三春吟半歌仙句順表

「野口武彦公式ブログ」が何とか復旧できましたので、歌仙興行も続行します。『令三春吟半歌仙句順表』を公示しますので、連衆諸兄姉のご応募をお願いします。

またそれに平行して、俳友グループの皆さんに『令三銘々精進会』へのご参加を呼びかけます。皆にレポートを提出してもらいたいのです:「芭蕉七部集の任意の巻から一組の付け合いを選んで自由に鑑賞し、100字前後にまとめよ。」

歌仙を何回か巻いてみて、諸君の作句方法に或る特定の傾向があるように感じた。自分の生活体験にある何らかのクライマックスを「私的=詩的瞬間」として切り取る発想をするのだ。それでは最短の詩形と考える「学校俳句」「秀才俳句」だ。連句 は違う。諸君もやってみて感じたと思うが、それは個々の付句を介して、或る集団的・伝統的な公共文化圏に加わることだ。連句は現代のような――時疫がいよいよその間を強めている――乱世に生きる人間の共通語なのだ。だから諸君の句作にも、たんなる生活体験のみでなく、すぐれた先人の製作に触れて得られる「詩的体験」を多く蓄積し、詞藻・詩嚢・歌袋・俳語目録をできるだけ豊富にしなければならない。

『芭蕉七部集』はその点でいい勉強になると思うよ。『日本の古本屋』などで検索すればいくらでも見つかるが、拙老は特に幸田露伴の評釈を勧める。注釈作業それ自体が 「文学」であることの好個の見本なり。また安東次男の評釈も面白い。クセが 強いが、それがまた魅力だ。この通知はブログでも公開します。「その望の日を」注釈

コメント3件

 里女 | 2021.01.16 14:00

レポート提出いたします。

続猿簑より

笹の葉に小路埋みておもしろき
 あたまうつなと門の書つき(書つけ)

こは付け「筋」の何たるかを知らず碧村師匠よりしごかれし頃に目を開かれし句にて打越より続ける大きなる景の突如卑近なる視点に引き込まれふと笑を催せる妙ありて所謂四句目振りの意やこの風ならんと合点し参らせそろ。

 里女 | 2021.01.16 14:20

もひとつ、冬の日より

 奥のきさらぎを只なきになく
床ふけて語ればいとこなる男

これも打越から景色が続いたところに人事に落としこむ付けで謎解き感もあって、次のストーリーがどんどん連想されそうな筋を一枚の笑える絵で示したような、しかも長句で、川柳手前の俳諧連歌の妙を感じました。

おそらくワタクシがこういう「クスリと笑える付け」を好きなんでありましょう。

 ugk66960 | 2021.01.16 16:32

里女が「クスリ笑い好き」はよくわかった。そうでなければさきの『続猿蓑』といいこの『冬の日』といい、こんな場面にばかり目が行くものか。でも人間、一発芸じゃダメよ。里女の賢にして明にして敏なる、先刻御承知のことだろうが、現歌仙ではきみは三句目なり。発句・脇句の「純情男」ぶりをどうイナスかが勝負だ。コツは「川柳手前」というより、いかに「川柳ギリギリ」でハンドルを切るかにあり。楽しみにしてます。

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