toggle

八十路の新春

〽八十路にも風ぬくもれり初暦。いま「コロナ」という名称で進行している人類と微小生命体との長期戦役は塹壕戦の局面に至ったようです。桃叟の身辺にもぽつぽつ影響が出ていますが、これはコロナそのものではなく、その派生トラブルの結果でしょう。わが老体は超然と健在であります。

今回は、4つほど広報したいニュースがございます。

⑴先日御吹聴致しました拙著『花の忠臣蔵』の中国語訳が本国よりもよく売れているというニュースが、このたび朝日新聞1月27日夕刊の紙面にも載りました。俳友グループの友人が同記事を転写してくれましたので、本ブログにもそれを転写してお披露目させて頂きます。

⑵先日吹聴させて頂きました小説集が近日中に講談社から刊行されます。書名は正式に『開化奇譚集 明治伏魔殿』と決まりました。

⑶これも先回予告した逝妻追悼歌集『うつつの津の国』は、幸い理解ある編集者を得て、目下歌稿を整理してもらっている最中です。これまた近いうちに進行をお知らせできると思います。

⑷俳友グループへの連絡。世が世なのでそれとなく安否を尋ねたら全員が点呼に応じてくれたのでまずは安心。去年から希望が出ていたので、歌仙興行をこれまでの半歌仙から36句立ての本歌仙に切り換えます。分量が倍になるだけでなく、高い集中力も必要になりますから、各自奮励努力せよ。

句順表も大部になります。連衆一人につき6句ずつ割り振りました。公平になるよう苦労しました。いい句順に当たらなかった、と文句を言わないように。句順表を送ります。添付ファイル参照されたし。

「八十路にも」歌仙六吟句順表

コメント3件

 奥村知亜子 | 2022.02.14 7:23

おはようございます。野口先生

 野口先生のHPを今朝ふと見つけまして、とても感動してお便りしています。
 今朝は、ふと、神戸大学のHPを見ていまして、気骨のある、自由の気風のいい大学で好きな文学に、好きな活動に浸って
 人生で本当によき時間を過ごせたなと思いつつ、野口先生のおかげだなあと思い、また、ふと、検索に「野口武彦」と
 入れてみたら、先生の書いていらっしゃるHPを見つけました。先生の授業を思い出し、お声も、研究室や国語室のお部屋での歓談や
 卒論ー泉鏡花の指導の声も言葉も思い出され、聴こえてくるのですよ。
 私がもう60歳ですので、先生もきっとお年を召しておられると思いましたが、80歳過ぎて書籍を出されていらっしゃるのですね。
 先生の文章を読み、ユーモアと機知、叡智に満ちた言葉に嬉しくなりました。

 私は、37歳まで国語教師として過ごし、発達課題のある子どもたちに興味を持ち、退職して海外で学び、
 今は、代表理事として福祉事業所を開設して0歳から大人まで、発達課題や障がいのある子どもや成人のケアをして、
 特にセラピーや療育の仕事をして働いています。文学、歴史などを子どもたちに教えることも多く、たまたま、
 5年も療育を担当している子どもが13歳になりましたが、日本語日本文学が大好きで、幕末の武士たちに惹かれていたり、
 平家物語の原文を写したりしたいようで楽しく、付き添っています。
 また、元言語を使ったセラピーにより、心身を癒す施術もしていますが、
 ストーリーテリングをしながら言葉を響かせつつ背中をリズムとともにさするような施術があり、
 自分で即興の物語を創作して聞かせているのですが、次々に言葉やイメージ、プロットが出てくるのは
 大学で、文学に浸った生活をしていたおかげではないかと思っています。

 先生は、私達に、「文学研究者になるんじゃなくて、文学青年になって・・」と言っておられましたね。
 また、鏡花の論考を読んで、参考文献や参考資料はそんなたくさん使わないでいいんだよ。
 自分の読み、自分の論をもっと書いていきなさいとおっしゃってくださいましたね。

 私はいつも覚えています。

 また、先生の声が聴けたら嬉しいです。これからHPは訪問します。

 どうぞ、お元気でお過ごしくださいね!

 奥村知亜子
 chiako555@me.com

 

 ugk66960 | 2022.02.14 13:14

ありがとう。こういうコメントをずっと待っていました。今まではコメントが来ても、どこの誰からかよくわからない一方的なご託宣ばかりでヨワッテおりました。御文面から貴姉が御卒業後立派なお仕事をなさってきたことと拝察。敬服します。ぼくは当年84歳の老翁になりました。最近構音が不自由になり――――ロレツが回らないというやつ―――口頭コミュニケーションに往生していますが、文筆はまだいけます。(といっても、パソコンのキーが叩けるだけ。)今後まあお見捨てなく。そちらもぜひお元気で。

 奥村知亜子 | 2022.06.14 11:28

野口先生、

 お返事ありがとうございました。
 丁寧にお返事いただけていたこと、今日、気づきました。
 先生のHPのコメント欄が公開であることも、今日、気づき、詳細に書いてしまったので、
 赤面しております。
 
 大学時代、私は、文学との出会い、世界との出会い、社会との出会いと様々な意味のある出会いを
 させていただき、本当に良き時間を過ごせたと思います。
 文学部へ上る途上、海の見える坂道で、よく人生を考えました。高等学校の教師になろうと
 思ったのも、あの坂道でした。海を見ながら急に雷が落ちたように、教員になって、子どもの
 教育現場へ行こうと思ったのです。21歳でした。

 年を重ねて良いことは、昔のことを振り返り、映像として想起して、もう一度味わい、新しく
 深い意味を見出し、出会いや起こった事柄を深めることができることでしょうか。

 84歳になられてまだ文学を書いていらっしゃること、とても励まされます。
 こんな年になっても、まだ先生の文章を読めること、楽しめること、こういった文章によって
 交流ができることは、天の恵みです。

 蛍の飛び交う小川が私の家の前を流れていて、その岸辺には五芒星の小さな卯の花が咲きだしました
 私の町は、空海が修行をしていたら3つの星が落ちてきたという地域で、星にちなんだ地名が
 多いのですが、七夕を祭る神社もあります。
 初夏、夏至を経て、七夕へ向かう、蒸し暑い日々ですが、
 お元気でお過ごしください。

 

 

コメント





コメント

画像を添付される方はこちらで画像を選択して下さい。