大地震、経済不況、テロの暗躍…。明治政権がタブーとした7つの事件の実相を究明。孝明天皇、山内容堂、小栗上野介、清河八郎、伴林光平、相楽総三、勝海舟。幕末の夜空に輝いた7星の、せつなすぎる光芒を描く。
安政江戸地震 - 2004/12/9
¥ 468 / ちくま学芸文庫
維新をさかのぼること12年、安政2年秋の夜半、直下型大地震が江戸を襲った。大江戸八百八町を壊滅させ、7千人を超える死者を出したこの地震が、幕府倒潰の序曲となった。巨大災害は、政治と社会に蓄積されたひずみを一挙に顕在化させずにはおかない。政権の当事者能力の欠如。地震後の社会の「ラディカルな能天気、支配層への期待感ゼロ状態、とことん徹底的な政治無関心」。国家権力は液状化した地盤の奈落に自重で沈降していく。江戸の地殻に走った亀裂は、いかにして幕府の基盤を掘り崩し、政権瓦解を導いたのか。その歴史のうねりを緻密な考証分析と緊迫の筆致で描く、災害と政治の歴史学。
長州戦争 幕府瓦解への岐路 - 2014/7/11
¥ 745 / 中公新書
どんな戦争も後世へのメッセージを残している。長州戦争は徳川幕府の命取りとなった戦争である。勝利した長州藩は、後に『防長回天史』を編纂し、この戦争を明治維新への大きな一歩と位置づけた。しかし、幕府側はこの敗戦を総括するに至らず、敗戦の責任者すら明確ではない。幕府はなぜ戦争に踏み切り、どう戦って負けたのか。開戦前夜から敗戦処理までを克明に描き、長州戦争が現代に残したメッセージを読む。
明治めちゃくちゃ物語 維新の後始末 - 2013/12/14
¥ 799 / 新潮新書
サムライはどう殺されたのか? 失業した武士をどうするか? 幕府の借金を返すには? 列強から国を守れるのか? たった十年で日本を激変させた明治新政府の苦闘を描きながら、近代国家の本質に迫る。
忠臣蔵まで ー「喧嘩」から見た日本人ー - 2013/12/11
¥ 2,376 / 講談社
江戸以前、武士はどうしようもなく暴力的で野蛮な存在だった。太平の世を迎え、権力は自力救済と復讐の論理を服従の美学に転換させるべくさまざまな努力を重ねる。それでも間歇的に噴出する異議申し立て。その頂点が赤穂事件だった。忠義のベールを取り去ったあとに残る「日本人の正義」の原形質を明らかにする歴史エッセイ集。