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老兵の本領

いくら強がっても年齢には勝てません。人間80歳台にさしかかると、やっぱり70歳台の身体とは違うのです。この前帯状疱疹に罹ってから、そのことを痛感しました。毎日、荊妻と代わるがわるソファーで横になって休養を取っている有様です。これからは自分が「老兵」であると覚知しつつ、将来計画を立てる必要があると思いました。

今後どういう本を書いてゆくか。ここで決意表明みたいに大上段にふりかぶるのは面映ゆいし、ガラでもないので、折よくこの期間に某出版社の編集者宛てに出した書信を自己引用させていただくことにしました。

「このたび御提案の御企画では、拙生日頃書きたいと思うテーマが意に任せて書けないのではないかと愚考し、今回は残念ですが見合わせることとさせて頂きたく存じます。なお拙生も不思議に齢80を重ね、今後はすべての著述を『小説』の形でしか書かないと心に決しました。仄聞するところでは、御社には「単行本」出版の部門もある御様子。もし拙生のこれからの仕事にご関心があるようでしたら、今後はそちらの方面で御口を掛けて下さるなら、幸いこの上もございません。」

物書きの先輩から教わったことでは。先方から依頼のあった原稿は断るものではないそうですが、拙老もそろそろ老兵、今からはしんそこ書きたい事柄だけを選り好みさせてもらいます。いわば老兵の本領に徹します。

 〽我はいさ文の防人さきもり荒磯に寄する年波しばしとどまれ

 

 

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