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令和政界くるわことば

われらが精神風土には江戸時代このかたの牢固たる「様式」があります。江戸っ子風にいえば、「型」ってえものがありやす。気に染まないこと、カッコウの悪いこと、食指の動かないことは頼まれてもやりません。サマにならないこはゼッタイにやらないのです。「江戸っ子はソウイウコトハシネエ」というのが長いこと唯一の、しかし強力なエトスでした

その江戸人は、歴史の変わり目ーーたとえば改元の年などーーごとに、時の政治家連があくせく奔走する政事に対して、みごとなデタッチメントの距離を保ちながら、これを「わるくち」という文芸ジャンルの様式で突き放す習わしになっていました。「わるくち」は決して世の常のワルクチ、ありきたりの悪口雑言ではありません。又の名を「里ことば」とも「郭言葉」ともいい、遊郭の女郎衆が嫖客と床の中で洩らすツブヤキの形式による洒落た風刺文学です。すべてこれい立たせる励ましあり、手管あり、思わず出てしまうホンネの吐息あり、と間然するところのない江戸前のツイッターです。

実物は以下のごとし:

[オヤ大きいねえ] 菅官房長官

[入れたり出したり気が揉めるヨ] 消費税増額

[また立ったよ] 石場元幹事長

[たいそうに出したねえ] 二階幹事長

[まだ届かないよ] 枝野立憲民主党代表

*   *   *   *    *    (了)

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