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『うつつの津の国』海外評判 付2022秋彼岸5首

歌集『うつつの津の国』の反響がいろいろ寄せられています。それらの中からまず、海外の友人スミエ・ジョーンズ氏のメールをお披露目させていただきます。同氏はUSA、インディアナ大学名誉教授・高等研究所常任研究員(NIMOU日本研究情報網データベース)で、比較文学の分野で多くの業績のある方です。桃叟も昔、国際『源氏物語』学会でお世話になりました。

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上梓ほやほやのご高著『うつつの津の国』を賜りました。漢詩よりも恋情に適した和歌の形式を選択なさり、歌に随想、スケッチ、メール、メモなどの入り混じった、不思議なジャンルを発明なさいましたね。狐がらみの民話風のお話に「義経千本桜」の浄瑠璃が重なり、歌は、万葉風、伊勢物語風、古今風などから蕪村の俳句風まで、ただの本歌取りの集まりではなく、インターテクスチャリティーの花園という感じのご本です。芳子さんがお喜びになること請け合いです。

早速インディアナ大学とカリフォルニア大学の図書館司書に購入を勧めました。インディアナ大学のウエルズ記念図書館は、始めから御著は自動的に買い揃えることになっていますから、全部揃っており、同大学の他のキャンパスにも大分入っています。カリフォルニア大学には、CV スター図書館という4階建ての東アジアだけの独立した図書館が出来ています。場所の節約のために貴重書を大分寄贈していますから、資料収集について意見を求められるようになりました。司書が調べた所、御著のうち所蔵していないものがあると判明し、早速注文を入れるそうです。他にも友人などに宣伝しました。ことに短歌のグループで作歌している友人と日本の従妹に勧めました。子規の写生風が現在のジャーナリズムの悪影響で時事報道みたいになり、こんなものは歌ではないと文句を付けていた所ですから。

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2022秋彼岸5首。

〽時満てば地に炎吹く彼岸花来る秋ごとにいのちいとなみ

〽この年も部屋に出て来たなつかしやハエトリグモは古い友だち

〽夢の逢ひはあわただしかりあらけなく別れを急かすベル鳴りやまず

〽夢に詠む三十一文字はあやなくて言葉足らずに芽ぐむひこばえ

〽わが夜の夢のあはひに水罔女みづはのめ露とこぼれて泡と消えゆく

 

 

 

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