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連句協会へ加入しました 付 狐の嫁入り一首

わが桃門では2019年に5人の仲間で「俳友グループ」を発足させて連句の世界に踏み込み、全部で10回弱の半歌仙・歌仙の巻々を興行して来ました。現在は連衆6人にほぼ定着しました。めざすのは世の常の和歌とも俳句とも違う連句、「つくばねの道」の踏破です。なぜ今連句なのか。いつも念頭にある柳田国男の言葉をまた引用しよう:

「連歌は始めから、仲間以外の者には退屈なものと相場が決まって居りました。それがどうして又当事者ばかりには、あの様に身を忘れるほど楽しかったということが、寧むしろこの芸術の一つの深秘であります。(……)中途に誰かが才能を閃めかせて、更に一段とおかしいことを言い出して、笑わせてくれるだろうという予期のもとに、一同が句を続けて行こうとする所に、其楽しみがあったのであります。」

われら一同もまたこの「楽しみ」を分かち合えればこそ、時にはしんどいとボヤキながらも、こうして何年間も続けて来られたのだと思います。

この「俳友グループ」では、拙老桃叟がずっと捌を執り行ってきた訳ですが、当の桃叟は俳諧の道にはスブの素人であり、何やら偉そうに添削などしてもすべて独学で自己流でしたので、ずいぶん独りよがりな所があったろうと忸怩たる思いを抱えておりました。

そこでこのたびふと思い立って「日本連句協会」という全国組織と連絡を取り、わが桃門一統を「全国区」化する機会を打診してみようと発意しました。そのやりとりの経過は前回のブログに掲載した通りですが、その後、連句協会事務局から正規の連絡があり、入会手続きを通知して来ました。要項をそのまま引用します:「日本連句協会は個人加入が原則です。このため、まず一名の方に入会登録していただき、グループ登録していただければグループの存在を一般に知らせることが出来ると考えます。協会発行の会員名簿にのその方の氏名・俳号・住所・電話番号・メールアドレスと所属の連句グループを記載しております。記載についてはその方のご意向により不記載とすることも可能です」。

この要項に従って手続きをしました。次の年報に登録が告知されるでしょう。さしあたり、拙老個人の氏名・俳号・住所・電話番号・メールアドレスと所属の連句グループ名だけが公表されます。このグループを会員名簿に登録すれば「会名・代表者・師系・連絡担当の方の氏名・連絡先住所・電話番号・会員数」が記載されることになります(「ご意向により不記載とすることも可能」とのことです)が、まだグループ面々のご承諾を得ておりませんので、登録するのは保留中です。いずれ皆様とご相談したいと思います。

しかし「俳友グループ」一同の関心事は――少くとも桃叟個人に関する限りは――そういう形式的手続きよりも、自分たちの連句作品が「日本連句協会」のように全国的な基準に照らしてどのくらいの所に位置しているのか知りたいということにありました。(と、推測します。)連衆諸兄姉にしても捌がすべて桃叟の独断にもとづいてなされていることに不安を感じておられたかも知れません。そこで思い切って、勝手に決めて申し訳ありませんが、わがグループの歌仙実作がどのように判断されるかを見ようと実物(直近の「紫陽花に」六吟)を実験台に提出してみました。すぐに丁寧な講評を頂きました。下さったのは連句協会会長の高尾秀四郎氏です。不遜な言い方ですが、又とない人選です。これも氏の御認許を得て、「講評」とそれを反映して桃叟がナオシを入れた「治定版」を以下に転写します。

①高尾氏講評高尾講評

②「紫陽花や」六吟歌仙治定版令四「紫陽花や」歌仙六吟句順表(高尾加筆) 治定案

なるほど、と敬服します。連句の式目や約束事・仕来りなどは教わらなくては身に付かないものです。やはり師事することは大切だとしみじみ知りました。勉強しまーす。

*     *     *

趣きのある人形を手に入れました。「狐の嫁入り」1首。

〽雨白く空明るきに袖濡れぬけふは狐の嫁ぐハレの日

コメント1件

 里女 | 2022.10.06 7:40

ビックリしました、こんなに丁寧に見ていただけるとは!しかもこんな細かいルール(汗)…添削を見てナルホドと。
たしかに大人しめで全体の起伏というかストーリーの盛り上がりが今までに比べると欠けてしまうのは、わたくしがお待たせし過ぎたせいかと汗汗。勉強になりました、あと全国レベルのキチンと感もわかってよかったです。精進します!

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