新年おめでとうございます。桃叟、百足らず85歳の年明けです。お目ざわりかも知れませんが、もう数年お付き合いを願います。
連句仲間では、例年、三つ物(発句・脇句・第三の3句だけを一まとめにした連句の一様式)を作って年頭の挨拶をする習わしがあるそうです。実は桃叟もその驥尾に付して作ってみたところ、思いがけず及第点を頂いたので、臆面もなくこのブログでお披露目しようと思います。
春風や吉兆告ぐる鳥の声
雑煮に添ふる七草の色
上の座に賓客ウサギおさまりて
三つ物には十二支を詠み込むものだそうですのでウサ君にご登場願いました。白と赤の色彩感がミソです。脇句の緑とのコントラスト。なんなら発句にピンクを感じてくれると有難いのですが。
ついでに桃門社御連中の皆さんにも宿題を出します。各自がワンセットずつ三つ物をまとめ、このブログに提出するように。別に期限は切りませんが、できればまだ正月気分が残っているうちに。
それに皆さんめいめいの周囲にそれぞれの連句グループの輪を広げましょう。学校の教室で、職場で、あるいは御近所で――皆さんも小ボスになれるチャンスですぞ。
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亡妻追懐七首
〽三とせ経て四とせ迎ふる今日の日もなほ新しき傍の空床
〽去る者は日々に疎しといふめれど疎からざるは去らざればなり
〽一筋に彼方へ続く長い道そのいや涯にわれを待つ影
〽日は沈みまだ暮れやらぬ地平線いつまで続く長い夕方
〽昔経し芦屋の春も今は夢行路足利き談話風発
〽待っててね少し仕事が残ってる見終えぬドラマ書きかけの本
〽わが世には幸ひありき春ありきなれと過ごせし永遠の束の間
砂子屋書房 | 2023.01.19 11:26
野口先生
遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
会社の近くで珍しい桃色の藪椿が咲いています。こういうのを俳句や短歌にできる皆さまが、本当にうらやましくてなりません。