近づく春の気配がします。庭のコブシはまだ蕾んでいませんが、町中ではぼつぼつレンギョウの開花が始まったそうです。すぐにユキヤナギが加わるでしょう。
桃叟もそろそろ近刊をめざして蠢動しようと思います。もうあと何年書けるかわかりませんが、これは完成できると信じます。今度の主人公――幕末に生きるわが分身――は、芝居好きの町人青年ですが幕府歩兵になり、鳥羽伏見で大敗し、旅役者になって江戸へ帰る、までの物語です。
やがて目鼻が付いて来ましたら、このブログでもお披露目するつもりです。が、今日の所はまずこれまで。
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冥顕交信5首
〽久々に夢でまみえしわが妻と共に祝はんきつね菱餅
〽きさらぎも月の半ばとなりにけりやよひぐらしに春の待たるる
〽思ひきや又の逢ふ日は絶え果てて人待つ心ましてわりなし
〽いさかひも和解もありき夫婦雛きみなき今ぞきみはあるなり
〽起き出でよわが底ひなるくしみたま昔のいさを語り聞かせん
虫獣4首
〽思い出すあのうららかな春の午後キツネすやすやタヌキぐうぐう
〽やあ元気? 生きていたのかクモクンは妻の遺影に手をすり合わす
〽いやちこの諏訪法性の御兜かざす八重垣燃ゆる狐火
〽春浅く地べた這ひをるボケの花時待ちつける蕾いぢらし 了
行者 | 2023.02.23 11:10
昨日、今日と関西は温かい日が続きますね。週末は冷え込むようですが来週からはいよいよ春に至るかと思われます。増々活潑な創作活動に感服いたします。先生の新作、プロットだけでもワクワクする内容です。刊行を心待ちにしております。