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他界花信

今年の夏は異常に暑かった。小庭のユリも、連日の日照りに背丈だけがやたらにヒョロヒョロ伸び、おまけに台風7号の強風でポッキリ折れ伏すのじゃないかと心配したが、運良く無事に助かり、御覧の通り4輪も花を付けました。調べてみたら、これはどうやらタカサゴユリという品種が野生化したものらしいです。

このユリはもともと、球根を植えたものではなく、どこかから風が吹き運んできた種子が庭の土に居座って自然に成長したものです。ちょうど1年前のことでした(『芳子三回目のお盆に』参照)。だから桃叟には、これはただの花ではなく、亡妻のあの世での消息を伝えてくる年に1度の花信なのです。明るく花開いているという知らせです。

〽あの世から風がもてくる花だより今年もユリが安否知らせて

〽あの世からユリの便りは届きけりぼくも元気に生き延びてます

 

 

コメント2件

 砂子屋書房 | 2023.08.21 9:36

野口先生、おはようございます。
いつもたのしくブログ拝見しております。二首目の「僕も元気に生き延びています」に
安堵いたしました。
いっけんたおやかそうなのに実は強い百合。素敵ですね。

 大藏八郎 | 2023.08.23 17:45

3年前に拙書「新彰義隊戦史」執筆の折、『幕府歩兵隊』を読んでいましたが、偶然にこのサイトを知り、初めてお便りを差し上げます。今年も既に処暑ですが、今年の元旦の腰折れをご紹介して挨拶と致します。本日ご著書5冊をアマゾンに注文しました。今年公刊予定の「彰義隊士の手紙」の最後の校正の参考にし必要があれば追加します。特に慶喜公に関するお考えに興味があります。

令和4年大晦  幕末の歴史の底に潜むもの探らんとしてみそかも暮れぬ
令和5年元朝  年の立つあした嬉しと窓の戸を開くれば匂う水仙の花
       歳々に春を忘れぬ蝋梅の香り秘かにあたりを払う
5年元旦夕刻  わが庭に今年も咲けり侘助の暮れなずむ色の暫くは顕つ

フェイスブックもやっております。
リハビリは嘸ご難儀でしょうが、お体をどうかお大切に。

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